【犬の腫瘍】がんの痛みを和らげる緩和ケアという選択肢
こんにちは。
大阪府箕面市の「山本動物病院」です。
犬の病気のなかで、悪性腫瘍であるがんを発症する割合が高まっています。
がんを発症すると、症状が進むにつれがん疼痛と呼ばれる激しい痛みを伴います。
がんになった犬は、からだの異変の原因を理解できるはずもなく、ただただ辛い症状に苦しみ続けるのです。
がんの痛みを和らげる緩和ケアは、獣医療の世界でも浸透しつつある治療法といえます。
緩和ケアは緩和治療とも呼ばれ、がん疼痛などの病気が原因の激しい痛みや辛い痒み、苦しい呼吸を和らげる治療法です。
「緩和ケア」と聞くと、がんそのものの治療をあきらめた終末医療のイメージをお持ちの飼い主さまも多いのではないでしょうか。
近年の獣医療では、緩和ケアと並行して、外科手術や投薬、抗がん剤や放射線治療などのがん治療も行われるケースがほとんどです。
緩和ケアには、がんの進行による辛い痛みなどの症状を取り除くことにより、ワンちゃんのQOLつまり「生活の質」を保つ目的があります。
さらには、がんの痛みから解放されると、食欲が出てきたり、軽い運動もできるため、治療に必要な体力の回復につながる可能性が高まります。
緩和ケアは、痛みをコントロールする疼痛管理がおもな治療法です。
ワンちゃんの症状に合わせた鎮痛剤を使用しながら、抗がん剤の副作用を最小限に抑える治療が必要とされます。
また、ワンちゃんをそばで見守る飼い主さまやご家族の精神的なサポートも緩和ケアに含まれます。
緩和ケアは、愛犬がたとえがんになっても、痛みのない穏やかな時間を過ごさせてあげるための、選択肢のひとつと言えるでしょう。
がんになったワンちゃんの緩和ケアは、ともに暮らす飼い主さまやご家族の判断に委ねられます。
山本動物病院は、腫瘍科専門医が診察と治療にあたる腫瘍科を設置している動物病院です。
ワンちゃんの症状にあわせたがん治療はもちろん、緩和ケアにも積極的に取り組んでいます。
緩和ケアについてご検討の際は、当院までご相談ください。